Google Cloud Next '19 in Tokyoに参加しました
6月のAWSに続き7月はGCPへ
ここ最近、自分自身の中でクラウドがアツいということもあり、7/30(火)から開催されている Google Cloud Next '19 in Tokyo に参加してきました。
参加した各セッションの気になるところを切り出し
基調講演:ウルス ヘルツル氏
テクニカル インフラストラクチャ部門 シニアVPです。
・2Q決算で年間80億ドルを超えるペースの見込みとのこと、AWSとの差はまだまだありますが、OSSをはじめとした大きな強みがGCPにはあるのでシェアを今後どう伸ばしていくかが気になります。
・(私感)基調講演ではとにかく「Anthos」推しでした。クラウド移行するにあたって中間移行の手間を省きオンプレ側でモダナイズできるという大きな将来性を秘めているという意味ではGCPがこの手の分野で覇権を握る可能性が高い、そして推したくなる気持ちが分かります。
・既にβテスターのプレイが完了しているドラクエウォークはバックでGCPを利用しているとのこと。利用要素の主なものとしては「Kubernetes」や「Cloud Spanner」だそう。
基調講演:DeNA 南場氏
言わずと知れた永久ITベンチャーであるDeNAの南場氏です。ここまでDeNAが大きくなったのはマッキンゼー出身で経営センスが非常に長けていた南場氏の手腕なのかなと思いました。
・1999年創業、2000年にはエンジニアを積極採用し内製化、2015年にクラウドの転機が訪れクラウド利用増大、2018年に オンプレ vs Cloud Shift でバトルだったとか。
・7年オンプレのサーバが稼働していたり、サービスが多様化したり、セキュリティの運用工数が高まっていたことで管理コストが増大していった・・・・しかし、クラウドへ移行することで試算された額はオンプレの3倍!
・しかし、ココはクラウドを使い倒す、という真理でノウハウを蓄積しコスト削減をする、また、最終的には「人材」を創造的な仕事にフォーカスさせることで決着した。
・創業以来、全てにおいて大きなインパクトを与えてきたのがGoogleであり、DeNAとしては総合的なデライトでGoogleを目指したい、そして、それをGoogleと共に協業できているのが嬉しいとのこと。
貴重講演:ゼロバンク・デザインファクトリー 永吉氏
初耳の会社名でしたが、今流行りのFintechで攻めている企業様です。
・次世代のバンキングシステムを構築することを掲げ、アクセンチュアの開発した金融サービス基盤を利用しているとのこと。
デジタル時代に即したシステム開発子会社の設立について|株式会社ふくおかフィナンシャルグループのプレスリリース
・1994年にマイクロソフトのビルゲイツが語っていたことなのだが「銀行機能は必要だが今の銀行はいらない」と将来を示唆していた。25年前にコレを言っていたのだから恐ろしい・・・・。
ビル・ゲイツ「銀行は将来必要なくなる」 | プレジデントオンライン
・マルチクラウドはエンタープライズシステムのスタンダードになっていく
貴重講演:佐藤氏
カスタマーエンジニアの技術部長で指揮をとっている方です。
・Migrates for Anthosは要注目(ただし、まだβ版。)
・仮想マシンをクラウドに変換することで創造的な時間に割くことができるとのこと
その他の気になる記事等
Cloud Code と コンテナツールで Kubernetes を使った開発を徹底効率化
Google Cloudのカスタマーエンジニアである岩成氏が登壇されました。この方、去年だったか翔泳社様主催の Jenkins Boot Camp で講師をやられていた方でした。
・LocalとGCP側の話で本来分かれるが、当セッションではLocal側のDevelopmentに絞ってお話するとのこと。
・ざっくりと下記のような図にして開発者はコードを変更して検証するだけにしたい、のが理想。(適当な図でスミマセン。。)
・VSCodeで Google Cloud for IDEs として Extension を導入できる。「Cloud Code」と入力すればOK。
・(私感)この辺の環境整備はMSも強いですがGoogleも強いなぁというイメージ
・デバッグの機能を利用してIDEとブラウザ間でシームレスにデバッグを行うことが可とのこと
Google Cloud Search ~ Google の検索技術でビジネス革新
誰もが良く利用しているGoogle検索ですがこれをエンタープライズサーチとして活用するという内容でした。
Google Cloud Search: Gmail やドライブなどを包括的に検索 | G Suite
・情報検索に費やす就業時間の割合は約20%、エグゼクティブが受け取る情報のうち必要な情報の割合が約10%、検索結果が芳しくなくてコンテンツを再作成する割合が約30%超えとのこと。これを検索することによって企業に変革を起こすことが Google Cloud Searchのミッション。
・ユースケースで挙げられた中で大量のシステム&大量のドキュメントをGoogleの検索力と機械学習で最適検索をできるようにするというのが印象的でした(自社でもここまで大量ではないですが情報の共有活用法に困っているので一考したいところです。。)
・100カ国以上に対応しており、GDPR/ISO/HIPAA 等、コンプライアンスにも対応しているとのこと。
・機械学習により検索品質が大幅に向上、検索の成功が「~15%」↑、結果が0件のクエリが「~30%」↓とのこと。
他に聴講したセッション
・GKE で実現するサーバー負荷テストサービス「Fukamill(フカミル)」の裏側をご紹介
・G Suite / Google Maps / Google Cloud Platform 活用方法について
・BigQuery を活用した既存データ分析サービスのマイグレーションと新規事業開発事例
少し撮影した写真たち
Google社員(エンジニア)の方々がオススメする本たち、壁側にも本棚があり、私自身も数冊読んだものがありました。
株式会社シナモンの平野CEO、振り返るとこの方ってAWSの時の基調講演でも登壇していたような・・・・まぁ、AWSもGCPも使ってるってことですね!
ごっつい、Cloud TPUの一部。エンジニアはこういうの見るのが好きです。笑
総括
・広さの問題もあったのかもしれないが非常に活況なように見えた。AWSも凄かったが、今回のGCPの注目度も高かった気がする。
・前述した通り、OSS分野では先を行っているGCP。ここはAzureやAWSと比較すると大きなアドバンテージか。
・AzureはやはりMS製品との高い親和性(というよりMS)、AWSはIaaSを中心として脇を固める各機能がかなり豊富、GCPはOSS系の強み、とそれぞれ差別化を図っている気がする。
・とは言っても、先日のAzureのセミナーでまーやさんがお話していたように、各クラウドのいいとこどりをする、という意味ではマルチクラウドが今後の主流になるのかもしれない。(全てが全て学習するのはあまりにコストが高すぎるが部分部分なら)
【Azure Studies その9】第20回 Tokyo Jazug Nightに参加しました - SE(しがないエンジニア)のブログ
・場所が浜松町から遠かったのがネック。来年はもう少し駅に近いと嬉しい気も。
基本はAzureメインでのおべんきょですが、AWSとGCPもセミナーで情報はキャッチしていきたいと思います!
追記(Appendix)
2019/08/26
DeNAの南場氏の登壇内容がオウンドメディア『フルスイング』にアップされました。必見です!