Microsoft Ignite 2019 振り返り
Microsoft Ignite とは?
アメリカのオーランドで 11/4~11/8 に行われたその名の通りマイクロソフト社が主催の開発者およびITプロフェッショナル向けの年次会議です。
また、当イベントをベースとし最も人気の高いコンテンツを選りすぐったツアーが全世界の30都市で Microsoft Ignite The Tour として開催されます。
Microsoft Ignite The Tour 2019-2020
私は 12/5・12/6 に開催される Tokyo の登録を行いました。Twitter 上で見つけた参加特典?のお話なのですがこんなのがあるそう、必見ですね!
Ignite と Ignite The Tour 参加者は、参加から6か月以内であれば、MS の認定試験を1つだけ無料になるみたい。https://t.co/6MELDGYhBJ
— こんごー (@kongou_ae) November 3, 2019
ちなみに、マイクロソフト社の社員の方や Microsoft MVP の方が多数 Twitter でつぶやいて下さっているのと良くまとまったブログもありますので私個人は挙げられた注目のサービスとまとまったブログのご紹介をするにとどめます。
今月の Jazug は2本目のセッションが現地へ行かれた方のセッションなので非常に楽しみにしています。(+ 1本目のAKS のセッションも非常に興味アリ)
注目の数々!
Azure Arc
下記のお馴染みサイオスさんの記事が良くまとまっています。本日の記事で挙げるものは基本的にサイオスさんのものと被ってます。笑
ざっくり説明としてはマルチクラウド環境を統合管理(パッチ適用・自動アップデート)できるサービスです。まだ、プレビュー版でこれから随時機能拡張されていくのかと思われますが、先日発生した AWS の障害も踏まえて、今後マルチクラウドへの需要が高まっていくところを上手く見据えたサービスといえそうです。
Azure Synapse
このタイトルだけだと何のサービスかイマイチよく分からなかったのですが、SQL Data Warehouse を拡張したサービスのようです。
[速報]マイクロソフト、「Azure Synapse」発表。BigQuery対抗の大規模並列データ処理サービス。Ignite 2019 - Publickey
テラバイト・ペタバイト級のデータを扱う場合は今まで Google GCP の Big Query が最有力候補でしたがそれに対抗するサービスとして今回発表されました。今回のデモでは攻めたデモで Big Query で11分かかったものを Azure Synapse がたった9秒で検索してしまうという結果でした・・・・恐ろしい。クラウド専用としてアーキテクチャが構築されており、スケールアウトへの対応も万全なようです。(≒コスパも高い)
Power Virtual Agent
チャットボットがコーディングレスで作成できてしまうサービスなようです。今後、世の流れとしてはエンジニアでない職種の方も簡単に機能を構築できるような方向に変わっていきそうです。そんな中で発表された当機能。Azure Bot Service との切り分けは後ほど調べようと思いますが、コーディングレスという点から考えるとかなり簡易的なチャットボットが作成できる、という位置づけでしょうか。
Qiita の当記事は Ignite で当機能が発表されて割と間もないうちに書き上げられてました。とてもステキです!
Power Automate
前述のサイオスさんのブログでも「一番衝撃的」と書かれていましたが、私個人もこの発表が一番個人的でした。まさか、マイクロソフトが RPA に参入してくるとは、という印象で。WinActor や UiPath が有名どころですが Office 製品と親和性の高い(というか知り尽くしている。。)マイクロソフトの RPA となれば完全なる目玉の製品(機能)になるかと思います。
機能としては既存で存在する Microsoft Flow(さまざまなサービスを GUI で組み合わせてタスク自動化する) にユーザーインターフェース操作を自動化する(RPA)技術である「UI Flows」を追加したものです。Web ブラウザの操作記録に関しては「Selenium IDE」を利用するそう。
Power AutomateのUIフローを試してみました。 | 初心者備忘録
早速、機能を試されている方もいらっしゃるようです。
Visual Studio Online
もはや、Visual Studio もローカルではなくクラウド上で起動する時代になってしまったのか・・・・という感じですね。こちらも Power Automate に引き続き、衝撃的発表の内容のひとつです。
Visual Studio Online | サービス詳細 | Microsoft Azure
クラウド全般にいえることですが「利用したいときに利用したい分のリソースだけを利用する」という流れにあったサービスで Visual Studio Online もこれまた然りです。また、iPad のようなタブレットでも当サービスが利用できることを考えると「開発環境はもはや PC デバイスだけではない」という構図にもなります。そんな意味で衝撃的な発表内容でした。
Project Silica
サービス、という観点ではないのかもしれませんが個人的にそそられた発表で Project Silica という研究プロジェクトというものがありました。煮ても焼いても喪失しない石英ガラスデータ記録技術ということで利用目的としては「コールドデータ」(≒長期間のデータ保存)になりそうです。歴史を習っていて昔の書が発見されるのも凄いことなのですが、今後500年や1000年後にはこの石英ガラスが発見されて「昔の人はこんなことしてたのか」というのをデジタルデータのアーカイブで閲覧される、というのもまた凄いことですね。笑
何となくのまとめ
Big Query との比較が入った Azure Synapse や まさかの RPA 分野への参画となった Power Automate 等、満を持してのサービス発表が多かったような気がします。Azure は AWS よりは後発なのですが結果として AWS も 代表的なサービスである EC2 で マイクロソフトの Windows を利用しているわけで結果後追いでも巻き返せる算段はあるのかもしれません。RPA 分野も親和性の高い Office 製品を武器にすれば勢いは留まることを知らないことになりそうです。(持ち上げ過ぎ?)
とはいえ、Azure Arc のようなマルチクラウド環境を下支えするようなサービスも発表されたりと違った側面を見せ、今回の Ignite はとてもよいプロモーション活動になった気がします。
個人の課題として、来年は勿論本国で開催されるイベントへの参加は難しいわけですが、発表された内容をいち早く試してみるというレベルまでは持って行きたいところです。
その他のオススメのリンク
下記は最終日までを含め、要点要点をピックアップしてくださっており Ignite で何が発表されたんだろう?を知るにはとてもオススメです!